原著はJohannes Messner,Das Naturrecht Handbuch der Gesellschaftsehtik, Staatsethik und Wirtschaftsethik 7teAufl.,Duncker & Humblot,1984.
筆者の専門分野。現代日本にはいまだほとんど存在していないと言ってよい社会倫理学(含む国家倫理学および経済倫理学)の体系的著作として貴重。人間の自然本性(natura humana)という善への傾向性と、実践理性の賢慮の徳によるその秩序付け(メスナーは「実存的諸目的」とよぶ)ということに倫理学の理拠をみる「自然法倫理学(Naturrechtsethik)」の立場に立つ。基礎倫理学部分と、社会・国家・経済倫理学の応用倫理学部分を含む。現代の倫理学「大全(summa)」とも言うべき記念碑的著作。ちなみにこの本の索引の作成に大学院生数名がかりで1か月ほどかかった…。
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