2012年4月7日土曜日

長倉禮子『ジョン・ヘンリー・ニューマンの文学と思想―影と幻から現実へ』知泉書館、2011年


 オックスフォード運動で知られる19世紀イギリスの神学者ジョン・ヘンリー・ニューマン(1801~1890)に関する日本人研究者による貴重な研究書です。大学を、知識の習得以前に、教師と学生の人格の出会いの場と捉えるニューマンの大学論についての論考や、ニューマンが比較的晩年に、死後の人間の魂の行方について詩作して、エルガーのオラトリオにもなっている『ゲロンシアスの夢』の邦訳などを含んでいる本です。
 私は、一時期ニューマン研究者Ian Kerが編集したニューマンの説教集(主に"Parochial and Plain Sermons"より)を日曜ごと読んでいた時期がありますが、ニューマンの真摯な霊性は今日でも大変魅力的に感じられます。

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